2009年10月10日土曜日

練香作り講習会を開催しました

10月10日、松栄堂 人形町店にて、練香作り講習会が開催されました。



香についてのお話を伺える貴重な機会でしたので、
募集が始まると真っ先に申し込み、楽しみにしておりました。
 今回の講習会は、青年部の有志の方の点て出しで一服頂き、
松栄堂 取締役東京支店長 芝原様による約1時間の香に関するお話、
そして練香作り体験というものでした。 松栄堂さんによる香のお話は、
とても分かりやすく、あっという間に時間が経ってしまいました。


香は、歴史が古く、文献に残っているものでさえ、
「日本書紀」にまで遡るそうです。今から、約1,400年も前になります。
一抱えの沈水香木が淡路島に漂着し、島人がそれとも知らず薪と一緒に焼いたところ、
はるか遠くまで香りが届き、その香木を朝廷に献上した事が記されているそうです。
その後は、鑑真和上が「薬」として日本に持ち込み、高血圧や心臓の薬として使われ、
平安時代、江戸時代と、様々な形で生活の中で使われたそうです。
 


お香の原材料


また、香の原料については、沈水香木と、白檀のお話を伺いました。
沈水香木は、樹脂の塊で水に沈み、熱を加えないと香らず、
香として使えるようになるまでには、300~400年もかかるそうです。
主な原産地は、インドネシアやマレー半島など、東南アジア地域だそうです。

一方、白檀は植林が可能だそうです。香水など、
香を作る上でも大きな役割をはたしているそうです。
原産地は、東南アジアや、インドで、インドでは、国営産業にするほど盛んなようです。

様々な物が海外に依存している事を改めて知ると共に、
ベトナム戦争の際の枯れ葉剤、東南アジアの焼畑農業などの影響により、
手に入らなくなってきている原料もあるそうで、
それぞれ個別の問題と思われるような事柄が、
様々なところで関係しているのだと、本当に勉強になりました。


お話の後の練香作りでは、白檀や炭など6種類の原料を、
蜜を少しずつ入れながら、乳棒で練っていきました。



実習風景1 原料に蜜を投入。



実習風景2 乳鉢で練っていく。


私は、乳鉢に入れる原料の量を欲張ったので、
練り固めるまでが大変でした。かなり力も必要でした。
松栄堂の方にもお手伝いして頂きながら、
16個の練香を持ち帰ることが出来ました。



実習風景3 練りあがった香を“丸(がん)”にしていく。
 

自宅にお客様が来る際には、
香を薫いてお迎えする事も「おもてなし」という事も教えて頂きました。
日が経つにつれ、香が変わっていくそうなので、
香の変化を楽しみに、大切に使っていきたいと思います。


 (参加者)
 



できあがったお香。


2009年7月5日日曜日

着物のお手入れ講習会を開催しました


雨の日にはくちなしの花がいっそう芳しい季節となりました。


7月5日日曜日、千葉市生涯学習センターにて上田泰敬先生
【(有)上田 代表取締役・繊維製品品質管理士】を迎えて
『着物のお手入れ講習会』が開催されました。





上田先生は、とてもダンディーでユーモラスな方で、お話しがとても楽しかったです。





先生のお話しを聞いて、目から鱗が落ちました。

シミ・汚れの種類には、水溶性のものと油溶性の2通りがあり、
油溶性のものは、ご自身でお手入れできますが、
水溶性のものは専門家にお願いした方が良いとの事でした。

また、丸洗いでは水溶性のシミは取れないので、洗い張りに出すのが望ましいそうです。

お出かけの際に、うっかり熱い物をこぼしてしまった時には、
早めに専門家にご相談してください。
その際に、決して、おしぼりで拭かないで
ください。乾いた布で軽く押さえる程度が望ましいそうです。
防水加工については、着用前に、
ご自身で防水スプレーをしておくだけでも、違うそうです。
また、アイロンかけにおいては、蒸気はNGで、
裏から当て布をして、気持ち浮かせた状態で滑らすようにかけた方が良いようです。


ここまでのお話しで、どれだけ着物が水を嫌うかという事がお解り頂けたかと思います。

保管においても、防虫よりも湿気対策の方が大切な様です。
【1(防虫):9(湿気)】お天気の良い日が2日以上続いた翌日には、
タンスを開いて、引き出しを泥棒さんが入った状態にしておくのが望ましいとのこと。

また、ウールや毛、皮は、虫を呼んでしまいますので、一緒に保管するのは、NG。


 最後に先生がしみ抜きのお手本を見せてくださいました。

そして、各自持ち寄った着物を自分の手でしみ抜きに挑戦し、先生から
コツを教わり、とても上手くしみ抜きをすることができました。

  

 私たちが着ている着物は、とても贅沢で大切な物だという事を、
改めて再確認させて頂きました。
どんなに有名なブランドのお洋服であっても、
表地は絹100%なのに、残念ながら裏地はキュプラであったりと……。

しかしながら、着物は、全て絹で(表地、胴裏、八掛、糸)作られていて、
フルオーダーメイドなんですよね。だから、
着物を着ていると気持ちも良く、心が安らかなのかもしれませんね。

これからも、お稽古の時には、着物を着て出かけたいと思います。
楽しい、解りやすい講習を、上田先生、ありがとうございました♪

(参加者)



同じ着物でそれぞれ染めた見本を使って
着物の染め替えについて説明をされる上田先生。
 

 

豊富な教材で大変分かりやすいご説明でした。

2009年5月24日日曜日

平成21年度総会と講演会を開催しました

朝から雨の降る空模様の中、大勢の会員の皆様にお集まりいただき、
また千葉県支部より諸岡支部長、阿地副支部長、臼田先生にご出席
いただきまして、平成21年度総会が開催されました。


 総会では平成20年度の活動報告ならび平成21年度の活動計画、また
会計の報告や予算等の議案について、出席者による承認がなされました。



会場での諸岡支部長(左)

 午後から行われた講演会では、京都よりお越しいただきました
吉羽與兵衛先生より、スライド上映や木型の模型を使って、
普段知ることの少ない鋳造という技法を用いたお釜の製作過程に
ついてご説明いただきました。

    

特に実物のお釜を拝見しながらのお話は、スライドによる説明と相まって、
大きな蝉型の鐶付や蓋の燻べ、霰の配列の美しさなど、見所となる
部分のより一層の理解が深まったと感じました。

 全ての工程が真剣勝負であること、ひとつひとつが手作業なこと、
釜肌にかける気持など、作家先生ならではの思いの伝わる講演会となりました。
この度の講演会に際し、吉羽先生より青年部宛てに建水を頂戴いたしました。
次回お茶席で拝見する日を楽しみに思い、改めて御礼申し上げます。
 総会と講演会の前後には、お呈茶席二席が用意されました。



呈茶席1





呈茶席2



お茶を学ぶという同じ志を持つ者同士、
交わす会話の中にも会員相互の交流がなされたのではないでしょうか。
とても勉強になる楽しいひと時を過ごさせていただきました。


2009年4月11日土曜日

藍形染体験会を開催しました


町の桜が終わりかけたこの頃、君津の松原伸生先生の工房は春爛漫。
桜は満開、鶯が歌い、若葉がキラキラ光ってまぶしいくらいです。
 
一人参加の私は少し緊張しながらも、どんなものが出来るかとワクワクしていました。
というのは、以前参加された方の作品があまりに綺麗だったものですから。

 静かな工房が笑い声やおしゃべりでにぎやかに満たされ、
いよいよ作業が始まりました。

松原先生がこれからの工程を説明しながら型にのせる糊を手際よく
つくっていきます。 藍に染まった先生の分厚い手がとても印象的でした。

第一線で活躍される工芸家の技や人柄に身近に
ふれる事が出来るのは、青年部ならではの体験ですね。





 俄然熱を帯びるのは型紙選びです。
配置や組み合わせによって印象が全く違うからです。

 
難しいところは先生の手を借り、ずれそうになる型紙を
他の人に押えてもらって作業をすすめました。
長い板の間を皆が好き勝手に行き来する自由な雰囲気がとても心地よかったです。

 



 糊が乾いた手ぬぐいを藍甕にそっと沈める時ばかりは
シンとして手元を見つめていました。

甕から上げた布がくすんだ緑色から徐々に藍色になっていく様は
なんともいえない感動です。

 水で糊を洗い流したら固定液、色止め液に浸し、天日に干します。
そよ風にゆれる作品を見るとうれしくてうれしくて・・・。


乾きあがった手ぬぐいは鮮やかな深い藍に変わりました。

 体験したのはほんの一部の工程ですが、一つの作品が仕上がるのに
多くの緻密な作業がある事を知り、藍染めがとても大切でいとおしいものに感じました。

(参加者談)





2009年2月21日土曜日

蒔絵体験会を開催しました


2月21日(土) 心待ちにしていた蒔絵教室。


きちんと完成出来るか不安でしたが川瀬表完先生のご指導の下
今回は漆にかぶれないようにカシュー漆で思い思いの絵を描いていきました。

     


一人ずつ順番に金・銀の粉を表完先生に蒔いて頂くと「ステキ!」
「すごーい!!」と感嘆の声があちらこちらから聞こえて来るほど
金・銀の『力』は凄いものでした。

    

色絵を付け仕上げをし約二時間半の短い時間でしたが楽しく
和やかに、作品も無事完成致しました。

このような体験の積み重ねが私達お茶の道を志す者にとって
大きな糧になると思います。

役員の皆様の細やかなご配慮に感謝申し上げつつ娘と共に
精進して参りたいという思いで帰路につきました。

(参加者談)

参加者の方々の力作をご紹介します。